第1章

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そう思った洋介の目に家の鍵が飛び込んできた 「・・・兄さん・・・鍵忘れてる・・・。」 これでは家に侵入できるはずもない。 残るは旅行中の両親だ。 洋介が連絡しようとすると、向こうから連絡が来た。 「洋介、お米の場所言い忘れてたんだが。」 「大丈夫、キッチンの右端でしょ。それより、旅行楽しんでる?」 「ああ、久しぶりに母さんと水入らずだ。お前には感謝しているよ、お前が家をしっかり守ってくれてるから、俺達は安心して旅行ができる。」 「じゃあ、夕飯の支度するから。」 「何かあったら連絡するんだぞ。」 「判ってる。」 洋介は電話を切った。 「これで、この家が完全に密室だった事が証明された。」 洋介はリビングに行くと、まずコーヒーを入れた。 そして、コーヒーを火傷しかけながら飲み干すと、家の中を飛び回っている、明智・コロンボに目を向けて、言った。 「犯人はお前だ!」 * 「この事件の容疑者はお前と、シャポだけだ、被害者はシャポに悪戯されないように、高い所に置いてあった、つまり、お前が被害者を殺したんだ!」 明智・コロンボはなにも答えない。 「これ!高かったんだぞ!」 洋介の手にはずぶぬれの携帯電話が握られていた。 FIN
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