*を目指して

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携帯の画面に映っていたのは、俺のケツの穴の画像だった。送信者不明のメールに添付されていたその画像をそっと閉じ、恐怖に震えた。一体いつ撮影されたのか、誰が撮影したのか、そして何のために撮影したのか。考えれば考えるほど恐くなった。 俺はこのことを、友人の明智に相談することにした。 「……という訳で、俺のケツの穴の画像が送られてきて恐いんだが」 「確かに恐いけど、尻の穴の画像を見てすぐに自分のだとわかるお前の方が三割増しで恐いよ。お前何なの?尻の穴ソムリエか何かなの?」 「俺のケツの穴のすぐ右に星形のアザがあるのは周知の事実だろ?」 「どこの界隈で周知されてんだよ。尻の穴ソムリエ業界か?もはや羞恥でしかないよ」 「なんなんだよお前は!人が真剣に相談してるって言うのに、細かい事ばかり気にしやがって!だいたい尻の穴ソムリエってなんだよ!! ケツの穴ソムリエだよ!!」 「ニアミスで実在している!?」 明智という名前から探偵っぽいことができるのだと思って相談してみたが、見込み違いだったようだ。俺のケツの穴のすぐ右に星形のアザがあるのは一般常識だというのに。……一般常識だよね? 念のため、明智の隣にいた金田に訊いてみた。 「金田は知ってるよな?」 「うん!アザの位置は左だけどね!」 「金田君なんで知ってんの!?ケツの穴ソムリエなの!?」 「明智は教養がないなぁ」 「俺が変なの!?ねえ、俺が変なの!?ねえ!!」 「明智は放っておこう。金田、何かこの画像に心当たりがあるか?」 「へへっ!いつ見ても君のケツの穴は美しいね!でも、心当たりは無いよ!」 「いつ見てもって言った!!金田君の心は大当たりだよ!!絶対犯人だよ!!」 「金田が犯人の訳がないだろう!!明智、構って欲しいからっていい加減にしろ!」 「えへへ!構って欲しいなら、僕がいつでも構ってあげるんだけどね!ケツの穴を!」 「目を覚ませ!!金田は相当なケツの穴ソムリエだ!!」
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