12人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ……。こんな馬鹿げた事を真剣に考えたく無かったんだが」
「いいから教えてくれ!侵入トリックを!」
「……俺は探偵じゃないから、その侵入トリックとやらはわからない」
「わからないのぉ?ケツの穴に手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろうかぁ?えへへ!」
「だから、俺は金田君の発言の矛盾を探すことにした」
「矛盾……?そんなのあったか?」
「有るわけ無いよ!僕は正直者だからね!えへへ!」
「ああ、正直者すぎて恐いくらいだよ。発言全てが真実だから狂気的なんだよ……金田君の発言に嘘は無い。ただ、お前と食い違っていた発言が有ったじゃあないか」
「俺の発言と!?有ったか!?」
「星形のアザの位置だよ」
「ああ、『俺のケツの穴のすぐ右に星形のアザがあるのは周知の事実』だったかな?でも、確か金田は……」
「アザがあるのは左側だよ!僕、見たもん!」
「もうツッコまないぞ……。そしてお前の携帯に送られてきた画像だ」
「俺のケツの穴の画像か!見るか?」
「俺は人を殺したくない。俺に見えないように確認してくれ」
明智に言われるがまま、再び恐怖の穴の画像を確認した。……?なんだこれ!
「アザの位置が……左側!?」
「ほらね!僕が正しいでしょ!えへへ!」
「そうだ。お前のケツのアザは穴に向かって左側にあるんだ」
「なんだって……じゃあ、これは……」
「お前の思っている通りだ」
「俺のケツの穴の画像ではないのか!?」
「違った!!思っている通りじゃなかった!!……お前は自分の尻の穴を見るとき、どうやって見るんだ?」
「もちろん、鏡だ!……はっ!」
「そうだ。俺は自分のケツの穴なんか見ないから、その『もちろん』にたどり着くまでにかなりの時間を要したが、そういうことなんだ。お前がいつも右側に有ると思っていた星形のアザは、実は左に有ったんだ!」
「なんだって……?」
「しかも、その事実を金田君は知っていた。本人の言うように、実際に見たからだ」
最初のコメントを投稿しよう!