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「ずっ、随分自信家なんだねっ!よく言うよ。」
「ははっ。ジョーク、ジョーク。
冬麻はこれがお勧めなの?」
そう言って、柏崎君は僕の目を見詰めてきた。
そんなの、まともに見返すことなんて出来るわけないじゃない。
思わず、目線を逸らして
「・・・うん。」
と答えた。
「わかったよ。
冬麻が一番気に入ったみたいだから、これにするね。」
「えっ?
そんなんで選んじゃっていいの?」
「その為にわざわざ来て貰ったんじゃないか。
いいんだよ。」
そう言って、柏崎君は結局その眼鏡を購入することに決めた。
柏崎君が、視力検査したり、レンズの種類の細かいことをお店の人と決めている間、僕はカウンターのちょっと離れたところの椅子に座って待っていた。
やがて、カウンターから離れて柏崎君がやって来た。
「眼鏡、出来るまで1時間弱かかるって。
約束してたご飯行こ?」
「うん。何食べよっか?」
「実はそのお店も、もう調べてきてるんだ。」
そう言って、柏崎君は僕を連れて眼鏡屋さんを出た。
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