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それから、僕らは3つの眼鏡店を回った。
そして、ちょっと考えた後、最後に柏崎君の気になったお店にもう一度行くことになった。
「ねえ、これなんかどう?」
僕が眼鏡を渡すと、柏崎君は鏡の前でそれを試す。
それから横にいる僕に、眼鏡の顔を見せて
「どう?」
って、尋ねた。
眼鏡選びってね、こんなに近くでお互いの顔を何回も見詰め合うんだよ。
君が僕の顔を覗き込んでね、
僕が君の顔を覗き込む。
柏崎君、気がついてる?
「その眼鏡、今までかけてたのと銀フレームなのは同じだけど、レンズがちっちゃめで、フレームの端のカーヴがちょっと丸くなってるから、柏崎君の優しい感じが良く出てると思うんだ。」
「俺の優しいかんじぃっ?!
さすが冬麻君、俺の内面の本質を良く解っていらっしゃるねっ!
はははっ!」
わーーーー!今のナシっ!
今日の柏崎君は少しおかしなハイテンションだ。
悪ふざけみたいなジョークを言う。
プライベートだと、ほんとはちょっとヤンチャなのかな?
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