雪の匂い

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「ガキはガキでも、“悪ガキ”だろ?」 じっと僕を見つめる目に浮かぶのは欲情の色だ。 僕はそれをじっくりと堪能してから、和海さんの腕から自分の腕を引き抜く。 「いいえ、貴方の仕事のお手伝いも夜伽もする、“いい子”ですよ?」 「ふっ、はは!本当にお前ってやつは。」 そう言うやいなや、和海さんは僕のことを机の上に押し倒した。 そして僕を逃がすまいとするかのように手首を押さえつけ、貪るようなキスをする。 「ん……!っ、ふ、……っ!」 舌を吸い上げられ、舌先で筋を舐め上げられ、息をする暇も与えず僕の中を暴く。 何十回、何百回、いいや何千回繰り返したか分からない熱くて深いキスは、僕の頭を甘く浸食し、痺れさせた。 「っ、はっ、だ、だめ……!」 隙を見て和海さんの胸を押すと、濡れた唇を拭いながら和海さんが挑むような目をした。 「だめじゃないだろう?」 「……だ、だめったら、だめ。」 「こんなにしてるくせに?」 「ひ、あっ!」 ズボンの上から大きな手のひらで擦り上げられたソコは、どくん、と疼く。 「だ、だからだめなんです。……そういうことするなら、ベッドじゃなきゃだめ。」 「はぁ……どこでそういう手練手管を覚えてくるんだ、お前は。」 「へ……?僕、和海さんとしかしてませんよ?」 「俺以外のやつとされてたまるか。」 ため息交じりで言いながら僕のことを抱き上げた和海さんは、なんだかとても複雑な表情をしていた。 嬉しいのに、焦っていて、それでいて、はにかんでいるような。 「和海さん?」 名前を呼ぶと、和海さんの歯が首筋を甘噛みしてきた。 「和海さん、いたい。」 本当はそんなに痛くないけれど、そう言ってみる。 そうすれば和海さんは噛み痕を優しく舌でなぞってくれるからだ。 熱い舌で濡らされると、お腹の裏側が決まって疼く。 まるでもっと強烈な熱を望むかのように。 「……和海さん?」 「ん?」 口にするのはいつになっても恥ずかしい。 はしたない自分を自覚してしまうのは怖い。 だから、ずるいけど……  僕の言葉を待って首を傾げた和海さんの下唇を舌先でゆっくりと舐めてから、僕は清純ぶって呟く。 「寒いから……あっためて?」
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