雪の匂い

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「……僕も和海さんに指輪を贈ろうかな。」 涙をぬぐいながら呟くと、悪戯っぽい笑みが返ってきた。 「揃いでつけるか?」 「……やっぱりやめた。だって取引先に二人で行ったときにお揃いの指輪をしていたら怪しまれるでしょう?」 「俺は別にかまわないが。」 「僕が構うんです!」 「ふーん。」 さほど興味のなさそうな相槌を打ってから、和海さんは僕の胸に顔を寄せる。 そして、シャツの上からすでに物欲しげにつんと上を向いていたところを舐めた。 「ひ、や、ぁ!」 「シャツの上から分かるほど尖らせて、さっきのキスだけでこれか?」 「ち、ちが、これは……ん、っ、シャ、シャツこすれて……!」 布を一枚隔てたもどかしい刺激に、僕の体は笑えるほど素直に先を求めた。 和海さんの太腿が触れているソコは早くも自己主張をはじめ、ズボンの中で水音が跳ねる。 ちらりとそちらへ視線を流した和海さんは口角を上げた。 「そういえば最近したのはちょうど一週間前だったか。今週は忙しかったからな。」 「こ、っ、んなときに、冷静に、っあ、思い出さないで、く、ださいっ!」 濡れたシャツ越しに胸の尖りを爪で掻く和海さんを睨むと、心底楽しそうな顔が返ってきた。 「その間に抜かなかったんだな。」 「っ、さ、最悪!なんでそういう変なことばっかり言うんですか!」 「恥ずかしがるなよ、男同士だろう?俺は昨日抜いたぞ。お前のこういう欲情した顔を想像してな。」 「そ、それ以上言ったら蹴りますからね!」 声を荒げた僕などお構いなしに、和海さんはなおも舌と指で胸の尖端を弄り続ける。 嗚呼、もういい加減もどかしくてつらい 中途半端に煽られてずるずると引きずり込まれていくのは勘弁だ そんなことを考えながら辛うじて自由がきく手を和海さんの体に手を滑らせると、ぴくりと体が揺れた。 筋肉が乗ってたくましい背中から、野生動物のようにしなやかな腰。 それからたまに人のことを蹴っ飛ばすお行儀の悪い脚。 そして、僕のことを奥の奥まで暴くもの。  もうすっかり大きくなっているそれに手の甲を這わせると、和海さんはくすぐったそうに眉尻を下げた。 僕はそのままズボンの釦を外し、下着の上から和海さんのそれを指でなぞる。
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