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負の連鎖 #2
私の手を包む大きくて温かな手。
突然、縮まった距離と予想不可能な間宮くんの行動に私は不覚にもドキッとしてしまった。
「ちょっと!何するのよ」
反射的に手を振り払い睨みつけた瞬間、至近距離で目と目が合う。
あ、間宮くんて奥二重だったんだ、なんて見とれかけたが、すぐに我に返り、さり気なく距離を作る。
「何って、腹減ってたから食っただけ。涼子さんて猫舌なんですね」
怒る私にも間宮くんは全く反省の色も見せず、それどころか開き直るありさま。
本当に最低最悪な男だ。図々しいにも程がある。
作戦変更。
この手の男は下手に放置するよりビシッと言わないと駄目なようだ。
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