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プライドとプライド #2
恐る恐る足を忍ばせ、インターフォンの方へと近づき覗く。
「あっ!!」
思わず漏れた声に驚き、慌てて口を覆う。
インターフォンの向こうには予想通り間宮くんの姿があって、こちらの様子を伺うかのように覗きこんでいる。
向こうからこちらが見えるわけないと分かっているけど落ち着かない。
「っていうか、なんでいるのよ!」
インターフォン越しに睨みを利かせ、キレ気味に言い放つ。
でも面と向かって言う気もなく、ジッと息を潜め立ち去ってくれることを願ってみる。
が、願いも虚しく追い打ちをかけるように再度鳴り響くインターフォン音。しかもやたらしつこい。
嫌がらせとしか思えない間宮くんの行動に苛立ちを覚えていると
「涼子さん。涼子さーん、居るんでしょ?」
痺れを切らしたのか今度は叫びながら直にドアを叩きだした。
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