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放っておけば諦めて帰ると思っていたのに、そんなに甘くはなかった。
帰る兆しは全くなく、ドアを叩き続ける音が響く。
「煩せーなーっ」
不意にドアを叩く音が止んだかと思うと聞き覚えのある声がしたかと思うと、何やら揉めているような気配。
あ、お隣の学生さんだ……
名前は浮かばなかったがパッと顔だけが浮かんだ。
「すみません！」
私は迷いなく玄関のカギを開けると、一方的にお隣さんに謝りながら半ば強引に間宮くんの腕を掴み部屋の中へと引きこんだ。
もう恥ずかしいやら格好悪いやらで頭がどうにかなりそうだった。
でもドアの向こうの気配が消えるのを感じ、私はドッと気が抜けその場に座り込んだ。
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