119人が本棚に入れています
本棚に追加
確かにそうだ。
じゃあ、勝手に言えばいいじゃないの！――って啖呵(ﾀﾝｶ)を切れればいいけど、私には無理。
悔しいけど間宮くんの言う通りで、私は間宮くんみたいに周りの人に彼に振られたことを知られたくない。
ううん、知られるわけにはいかない。
間宮くんが知っている私は見栄っ張りで、変にプライドが高いということを。
「で、どうする？涼子さん」
答えに迷う私に間宮くんはジリジリと距離を詰める。
憎たらしいほど余裕な笑みを受けべて私を見下ろす間宮くんに怒りさえ覚えるが、今の私にはそれすらも許されない。
彼に屈するのは嫌だけど、それ以上に……
「もう分かったわよ。付き合えばいいんでしょ！」
私は間宮くんを睨みつけると、まるで宣戦布告するように、その言葉を口にした。
.
最初のコメントを投稿しよう！