59人が本棚に入れています
本棚に追加
ましてや相手は沢木課長で最近、気をつけている相手。
「沢木課長、M&Tなら俺に同席させていただけませんか?」
私と沢木課長の間を間宮くんが急に割って入ってきた。
でも間宮くんの言葉にホッとしたのも束の間で
「いや、今日は新井さんにお願いしようと思うんだ。女性の方が先方も喜ぶしね」
「沢木課長、それってどういう意味ですか!?」
聞き捨てならないと傍に居た万里子ちゃんが声を荒立てる。
「万里子ちゃん!いいから……。今晩ですね、分かりました」
慌てて万里子ちゃんを止めると、私は沢木課長の申し出を承諾した。
「涼子さん……」
「大丈夫よ。いつものことでしょ?」
古いタイプの営業は、こうして女性社員をお店のコンパニオンと勘違いしているところがあった。
「じゃあ、行こうか」
私は間宮くんと万里子ちゃんに見送られ、沢木課長と共に会社を後にした。
.
最初のコメントを投稿しよう!