しおりの記憶

10/11
前へ
/11ページ
次へ
 自然と目が合う。 「小嶺さん、好きです。」  私はいきなりの告白に目を見開いた。  彼は続ける。 「子どもの頃、自信無くて言えなかった。  栞を交換して、また交換することで、そしてチビ  じゃ無くなったら勇気が出るんじゃないかって思  った。  高校入学して水球部に入ったんだ。それで鍛えて  さ。  身長は高校になったら自然と伸びたけどね。  そして小嶺さんに伝えるって……  俺の中の決心。まぁ、自己満足だよな……」  彼は照れながら頭を掻いた。 「結婚を前提に付き合ってもらえますか?」  その言葉にまた驚きながらも私は「はい……」と答えていた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加