しおりの記憶

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 式場に入り、席に座った。  式が始まり市長さんや議員さんからの祝辞があり、成人代表の挨拶。  最前列の座席から舞台の壇上に立ったのは……  ……えっ?  短髪の黒髪、前髪を上に立て、袴姿のガッシリとした長身の男性。  一瞬目を疑ったけど、中学までのちっちゃいイメージしかなかったけど、面影がある。  間違いなく、斎藤くんだ。  落ち着いた低い声。  その声が耳にすっと心地よく入ってきて、彼から目が離せなかった。  ドキドキした。  あー、私、斎藤くんのこと気になってるだけじゃなくて……  好き……なんだ……
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