しおりの記憶

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「約束、覚えててくれてありがとう。  あの時強引だったからさ、実際、もう捨てられて  るかもって思った。  俺ね、小学ん時、まぁ、中学ん時もだったけ  ど、チビでヒョロかったじゃん。  小4の時、これじゃダメだって思ってさ、10年  後、20歳までには体デカくなってそれから  って……自分の中だけで決心した思いがあって。  この約束がもし果たせたら…」  彼は一呼吸置いて、私の方を見てニコッと微笑んで、はい、と栞を差し出した。  私は、彼の栞を持っている反対側の手で受け取った。 「果たせたら?」
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