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綺麗な青い空。ふわって優しく涼しい風の中。
「俺。春が好き」
そう言い、真剣な瞳で見つめてくる彼。
ただその瞳に吸い込まれるそうになる。
でも、異性に下の名前でよばれ、好きって言われるのは初めてでびっくりする。
ていうか、これ告白なのかな?
告白なら付き合って下さい。って言うよね?
「え、えーと。はい」
ただこんなことしか言えなくて、こんな自分が情けなくて。
「んじゃあ」
そう言い、屋上から出て行く彼。
えと、何が何だか分からなくて、頭の中がぐるぐる回る。
あの人誰だろう。そう思うしかない。
私は、水谷 春 「みずたに はる」。
休み時間に屋上に呼ばれ、いきなり、好きって言われました。
なんていうか、どう反応すればいいのか分からなくて。もっと困る。
いつも、私はこう。
男の人に告白されてもいつもこうなんだ。
でも、さっきのは告白なのか分からない。
好きとかそういう感情がよく分からない私。
なのにいきなり言われてもただ困る。
初恋はもうすませた。と思う。
でも、その人にはもう、会えないんだ。
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