2081年

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私は朝の散歩がてら、物資の調達に出掛けていた。 いつも通り歩いて五分ほどの道のりである。 途中の一部の道は敷石になっているのだが、整備されなくなって久しく、また通る人も限られているため、敷き詰められた石の繋ぎめからは草がまばらに生えている。 道の真ん中に等間隔に並んだ石のかたまり。 大理石なので一見墓標なのかと思うそれらは、祖父いわく昔に作られた椅子だったのだそうだ。 聞いてみればこのあたりはもともと田園都市だったらしく、景観が整っていたという。 そうしたところで私にとってはあまりピント来なかったのだが。
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