2081年

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自動ドアが、人ひとり通れるだけの広さを開けて待っていた。 歩調を変えることなく入っていく。 ドアが私の腕にすれすれのところで触れなかった。 同じようにして二枚目のドアも通過する。 いつも通り、かごを手に取り右側から店内を廻っていき、めぼしいものを次々とかごに放り込んでいく。 ハンバーグ、鶏肉のステーキトマトソース添え、ミートローフ、さばの味噌煮、フライドポテト、ゆでいんげん豆、アップルパイ、ベリーミックス等を選んだ。 最近は、選ぶ種類も量も少なくなった。 別にまだまだ在庫はあるというのに。 選んだ食品を全てバックパックに詰め、先程の出口へとむかう。 かごはもとの積み上げられた位置に戻して、早々にその店をあとにした。
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