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怒号が飛び交い、本庁の刑事たちが右往左往する中で、葛西はひとり横浜館に向かって駆け出していた。
「うわっ、葛西さん、ちょっと!?」
次の瞬間、もう一度轟音が横浜館周辺を襲う。それは海にまで広がり反響した。
「中庭が爆発したぞ」
「おい、段々こっちに近づいてないか!?」
待機か撤退か。此処も安全だという保障はないと、混乱する現場の中で、葛西はもう南館の入り口に達していた。
「嘘でしょ!? 葛西さんっ。もう~っ!」
よく考えたら付いて行く必要もないのだが、しょうのない相方をひとりにしておけず、伊集院も後を追って駆け出した。
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