第一章 目覚め

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「こいつが卑弥呼だ!  こいつが棺の中に閉じ込められてたから卑弥呼は現れなかった。  こいつが爆発のショックで記憶を無くしたから、その後、卑弥呼はなんの行動も起こさなかった!  どうだ! 完璧だ!」 「いや……或る意味完璧ですけどね」 「ひとつ忘れてますよ、葛西さん。  悠紀ちゃんが卑弥呼なら、それを棺に閉じ込めて打ち付けたのは誰なんです?」 「それは― だから、仲間割れだ!」 「その仲間は何処に?  それに、今回の爆破で怪我人が出ています。  今まで卑弥呼は他人に人的被害を及ぼしたことはありません」 「お前卑弥呼の仲間か!?  やけに庇うじゃねえか」 「僕が庇ってんのは、悠紀ちゃんです」  しれっと伊集院は言う。
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