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「何処に行っていた」
個室になっている病室へ戻ると、窓際に立っていた背の高い男がこちらを睨む。
眼鏡をかけて端正な顔をしているが、その視線は静かに攻撃的だ。
目が覚めたときから側に居る彼は、篠宮という医者だった。
「こいつが逃げないよう見張っとけと言ったのは、警察ですよ」
そう後ろに居た刑事二人を睨む。
「すみませんね。この莫迦娘が勝手に出てってたもんで」
あくまでも横柄な葛西には特に反論せず、面倒くさそうに、回診の途中なので早くベッドに座れと言った。
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