第一章 目覚め

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     ベッドに腰掛けた悠紀は、おとなしく脈を取られていた。 「まるでお姫様みたいなガードだな」  そう伏せ目がちに言う篠宮に肩を竦めて見せる。 「そう言や聞こえはいいですけど。要するに、私を見張ってるってことでしょう?  だいたい私、何の容疑なんです?  展示品に入ってた罪?  EARTHとかいう石もウジャトも無事だったんでしょ? あの爆破と予告状の因果関係だってはっきりしてないのに」 「エジプトの秘宝を壊しただけで充分だと思うが」 「……あの~、あれ壊したの、葛西さんですからね?」 と上目遣いに確認させるように言うと、篠宮は、ふっと笑う。 「自分で無実だと思うのなら、あそこに居た理由を捜してみたらどうだ?」 「え?」
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