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「お前が事件に関係あるのかどうか。知っているのはお前だけなんだからな。
記憶を取り戻すしかないだろう」
「でも、そもそもが取り戻すまで、籠の鳥なんですけど」
篠宮は手を離し、立ち上がる。
「院長に頼め、あの人は警察上層部にも顔が効く。葛西たちを付けてれば文句は言われないだろう」
自分こそが彼らの上司でもあるかのように軽く言う。
「横浜館へ行ってみろ。損傷があるのは北館だけだ。お前が見つかった南館は入れるだろうよ」
横浜館か、悠紀は口の中で呟く。
記憶はないはずなのに、それを吹き飛ばした爆発音が耳の奥にこびりついている感じがした。
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