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ぎゃあぎゃあ、わめき合っているうちに最上階まで達した。
最早、這うような体勢だった悠紀は床の上に転がり込むように上がっていた。
吹きっさらしとはいえ、一応此処は面だ。
少し息をつく。
「葛西さん、帰りは、おぶって下りてくれません?」
そう言うと、おう、駆け下りてやるとも、と冗談とも本気ともつかないことを言う。
海は太陽の光を浴びて乱反射するように輝いていた。
防波堤の前の、道ともなんともつかないさっきの場所を、自転車に乗った学生や徒歩の女性たちが横切っていく。
三人はその場にしゃがんで、一息それを見ていた。
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