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入り口の天井に張られた写真入りの大きなロールスクリーンを口を開けて見たあとで、悠紀は壁際にずらっと並べられた展示物に目をやった。
爆発にも特に損傷はないようだった。計算してあったのだろうか、と思う。
葛西は軽く警官たちに手を上げながら、ずんずん奥へ入っていく。
顔パスなのは、きっと何処でも騒ぎを起こしているからだろうと勝手に思った。
悠紀は白い石灰岩で出来た台座のようなものの前で足を止める。
偽扉(ぎひ)と書かれたそれに、一緒に立ち止まった葛西が、
「これの何処が扉だよ」
と呟いた。
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