361人が本棚に入れています
本棚に追加
/285ページ
その壁一面にセキュリティが張り巡らしてあるのか、ホルスの眼はケースにも入っておらず、剥き出しだった。
「それだけ、このセキュリティを作った人間が自信があったってことでしょう」
と伊集院が言う。
悠紀はそのセキュリティとやらに反応しない位置を取って、ホルスの眼を見つめる。
「これ、この護符よりも、EARTHの方に価値がありそうですね。
後から嵌め込まれたんじゃないですか、これ?」
「確かそう聞きましたね。
このアミュレットも古いものですが、それに加工しようという気になるほど、このEARTHには価値があるとか」
「奇麗。まるで太古の地球だわ。
タンザナイトの蒼さとエンジェライトの澄んだ白みがかった水色、それにセレスタイトの透明感を合わせたような。
爆破までして、なんで卑弥呼はこれ盗まなかったのかしら?」
最初のコメントを投稿しよう!