第二章 横浜館

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   その壁一面にセキュリティが張り巡らしてあるのか、ホルスの眼はケースにも入っておらず、剥き出しだった。 「それだけ、このセキュリティを作った人間が自信があったってことでしょう」 と伊集院が言う。  悠紀はそのセキュリティとやらに反応しない位置を取って、ホルスの眼を見つめる。 「これ、この護符よりも、EARTHの方に価値がありそうですね。  後から嵌め込まれたんじゃないですか、これ?」 「確かそう聞きましたね。  このアミュレットも古いものですが、それに加工しようという気になるほど、このEARTHには価値があるとか」 「奇麗。まるで太古の地球だわ。  タンザナイトの蒼さとエンジェライトの澄んだ白みがかった水色、それにセレスタイトの透明感を合わせたような。  爆破までして、なんで卑弥呼はこれ盗まなかったのかしら?」
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