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「鉄壁の警備システムを卑弥呼でさえ、破れなかったということでしょう」
後ろからした声に振り返ると、白衣を着た男が二人立っていた。
胸に小さなプラスチックのネームプレートを付けている。
大柄な濃い顔の男が東堂。
その後ろに居る背は低いが巨漢の男が長沼というらしかった。
もっとも、低いとはいっても、東堂が大きいからそう感じるだけで、恐らく悠紀と同じくらい。
百七十近くはあるようだった。
東堂があまりにも人を喰ったような眼をしているせいか、長沼は図体の割りにおどおどして見える。
警察の方ですか? と東堂が問う。
「そうだが。あんたは?」
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