第一章 目覚め

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「なあ、そのシンジケートって日本のか?  日本に関係ないんなら、卑弥呼ってのはおかしいよな」 「そうですね。でも、外国の人も腕に神風とか彫ってますしねえ」  まったく、と溜息混じりに身を動かすと、靴の下でアスファルトが砂と擦れる音がした。 「どっかの馬鹿がマスコミにすっぱ抜きやがったせいで、愉快犯から次から次へと予告状が来て。  あれじゃ何が本物かもわかりゃしねえじゃねえか」 「まあ、最初のこれも本物だって保証もないですしね。ICPOの新道(しんどう)警部もいらっしゃらないようですし」  一応、ICPOには卑弥呼といえばこのチーム、というのがあるらしいのだが、今回は他の仕事で手が離せないらしく、予告状の信憑性も疑わしいというので、来ないようだった。
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