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「でもさ、卑弥呼追ってるったって、ICPOって逮捕権ないんだろ?」
「今はありますよ、一部のみですけど」
そんな与太話をしていたとき、総合指揮車から戸田課長が戻ってきた。
ダレてんな、葛西、と言ったが、小さい身体に丸い顔、薄くなり始めた頭髪を疲れたように丸めた書類で叩くその姿こそ、ダレていた。
「だって、俺ら居たってやることないでしょ? 山を賑わすんなら、他所の枯れ木にしてくれってんだ」
「仕方ないだろ。うちが一番横浜館に近いんだから」
レンガ造りの横浜館を見上げ、戸田は溜息を漏らす。
「しっかし、呪われてるな~、この建物」
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