第一章 目覚め

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「ああ。五年前には謎の爆発で人が死んでますよね。確か、館長と女性職員が」 「誰かよっぽど此処に恨みでもあるんだろうよ」  膝に頬杖をつき、投げやりに言ったとき、ドンッと腹の底まで揺さぶるような音がした。  戸田は頭を抱え、伊集院はよろけて隣のパトカーに背をぶつける。 「なっ、なんだ!?」 と戸田が振り返る。  横浜館の後方から煙が上がっていた。 「ば、爆発ですっ! 北館が爆破されたようです!」  現場に一気にざわめきが走る。 「爆破!? どういうことだ!?」 「っていうか、うわっまたっ!」
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