My Lifa法

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   そう。My Lifa法とは国が見るに見かねた良くも悪くも息づいてきた『謙虚』を打ち破り、強制的に国が求める国民を作り、今日本を悩ませる問題の解決へと躍起になっている。  当然と言えば当然だが、7年前に解決したと思われた日韓慰安婦問題もそうだ。結局今となっては現代を生きる俺達にとっては歴史の出来事。しかし、それは日本人の感覚で、あちらさんは違った。日本国内における性犯罪が増えた。一ヶ月に一回は「韓国人男性が○○市内在住の――」というニュースを耳にする。  このMy Lifa法が導入されてからは、二十代以降の女性が外を闊歩する姿は見ていない。何故なら、家庭に入った女性には専業主婦限定で毎月10万円の支給がされる。子供が一人増えれば8万上乗せといった、一昔前の女性の社会進出とは真逆とも言える制度だ。  今の30代前後の先輩達に言わせれば『極端過ぎる』と言うが、高校時代からこの制度のど真ん中にいた俺には、当たり前で選択肢があることによってストレスも少なかったが、社会では通用しないと実感しつつある。自分で物事を考える事がここまで息が詰まる程難しい事だとは思わなかった。  そんな事を思い近所の本屋から散歩がてら歩いていたが、まだ薄明るい時間帯に家に着いた。つい半月前に結婚したばかりの新婚だが、好きで結婚した訳じゃないのがなんとも言えない。 「ただいま」  玄関で小さくつい癖で出た声に反応したのか、奥からパタパタと走ってくる音が聞こえる。 「おかえりなさい! ねぇ! 早くこっち」  まるで留守番をしていたような犬のようだ。俺の服の袖を握るとリビングへとグイグイ引っ張る。家に入った瞬間に美味しそうな匂いはしていたが、随分張り切っているように見える。
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