あまくて、あいまいで、あたたかい

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「俺は凪ちゃんに聞いたのであって、別に片岡さんの予定はいらないんです」 「たまたま時間が合っただけだ。それよりお前、彼女は」 「やっぱり近くにいないと駄目なんですよ。 ……だからと言ってミラノに来てくれるわけじゃないし。もう、しようがないかな」 次、探しますよ、つ・ぎ。そう言って斉藤は空のグラスを挙げた。 「凪ちゃん、ビールね!」 はあい、と小さな声がした。 新しいビールを持ってきたのは、美青年のマルコだったので、斉藤はちょっと拗ねてみせた。 「凪ちゃんは?」
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