あまくて、あいまいで、あたたかい

4/90
42人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
以前、少しだけ日本語を勉強したことのある僕は、彼女と笑うところや怒るところのツボが似ていることに気づき、そして僕たちはすぐに仲良くなった。 過去の失恋話から、好みのタイプ、家庭の話、将来の夢。女子会の話題は尽きない。 そして2年後、ナギのスケッチブックの中に、光源氏が現れた。 「とっても素敵なひとだったんだよ」と、興奮した彼女にスケッチブックを見せられて、へえ、と思ったものだ。 声をかければ良かったのに、 と言うと、目を見張った彼女は、「そんなこと、できない」と小さく言って首を振った。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!