あまくて、あいまいで、あたたかい

6/90
42人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
ナギの光源氏……片岡航は、外見のスマートさと違って、行動は大してスマートではない。 日本には「恥」という文化があり、自分の名誉を守るためなら、サムライはハラキリもするらしい。 そんな、僕にはあまり理解できないオーラを背負い、他人に頼らず、弱味を見せず、片岡航は孤高に生きているように見えた。 めんどくさい男みたいだからやめとけば。最初、僕は彼女にそう言った。 しかし、スケッチブックの中に描いたときからすでに、紫の上……ナギはあいつに、恋をしていたのだと思う。 不器用だ。あまりに不器用な2人だ。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!