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ナギの光源氏……片岡航は、外見のスマートさと違って、行動は大してスマートではない。
日本には「恥」という文化があり、自分の名誉を守るためなら、サムライはハラキリもするらしい。
そんな、僕にはあまり理解できないオーラを背負い、他人に頼らず、弱味を見せず、片岡航は孤高に生きているように見えた。
めんどくさい男みたいだからやめとけば。最初、僕は彼女にそう言った。
しかし、スケッチブックの中に描いたときからすでに、紫の上……ナギはあいつに、恋をしていたのだと思う。
不器用だ。あまりに不器用な2人だ。
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