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「何か…黒いマリモがいる…」
神龍高校の校門前でタクシーを降りると、馬鹿デカイ校門を真っ黒いボッサボサの髪の小柄な奴がよじ登っていた。
「くっそ!何で誰も迎えに来てくれてないんだよ!
これじゃオレ、入れないじゃん!!」
「おーい。アンタ、何やってるの?」
「え?うわぁっ!?」
ドスンッ!!
他に誰も居ないと思っていた黒マリモは、俺が声を掛けるとビックリして手を滑らし、門の向こう側へと落ちた。
「いっててててて…
ん?お前誰だ?つか、怪我してんのか!?大丈夫か?」
ガシャッと門にしがみつくと黒マリモは、俺の心配をしてくれた。
イイヤツな気がするけど、声がデカくて煩いな。コイツ。
つか、マリモの様なもっさり黒髪に瓶底メガネって…これはアレか?
美乃里が言ってた王道転入生ってやつか?
え?コイツがモテモテになんの?
あり得ないだろ。クラスに居た奴の方が可愛い顔してたぞ。
「…あぁ、昨日まで入院してたから…って、そんな事は割とどうでもいいんだけど…
お前、わざわざ門をよじ登らなくても、ここにインターフォン有るから押せば良かったのに。」
「んなっ…!?文明の利器が…!そんな所にあったのか…!?」
門の右横に備え付けられているインターフォンに気付かなかったらしい黒マリモは、正にorzの形に崩れ落ちた。
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