防弾硝子の少年

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「ああ、すみません! 迎えが遅れてしまいました…ね…」 orzな黒マリモを眺めつつ、そろそろインターフォン押そうかなって思っていた所へ、緑の黒髪を肩口で切り揃えた眼鏡を掛けたイケメン…いや、生徒会の副会長が足早にやって来た。 名前は正直覚えていない。 そして、項垂れている黒マリモを見て、絶句したのだった。 しかし直ぐに笑顔を貼り付けると、黒マリモに手を伸ばす。 「えっと…あの、大丈夫ですか? 転入生の方、ですよね?」 その声にバッと顔をあげた黒マリモは、差し出された手を掴む事無く立ち上がった。 「オレは四宮 皐月(しのみや さつき)って言うんだ! なぁ、お前の名前は何て言うんだ?」 素晴らしい笑顔でそう言う黒マリ…四宮。 うぉ!初対面の年上っぽい人にタメ口とは…!コイツやりおる! 何か色んな意味で近付きたくないタイプ! 「え?あぁ、私の名前は稲垣 吉乃(いながき よしの)です。 この学校で生徒会の副会長をやっております。」 と、営業スマイルで応える稲垣副会長。 その素晴らしい営業スマイルを見て、四宮は眉を寄せる。
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