防弾硝子の少年

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取り敢えず、移動しようと思って歩き出す前に、少しだけ屈んで、未だに倒れている稲垣副会長に声を掛ける。 …聞こえてるかどうか解んないけど。 「あー…えと、稲垣副会長?大丈夫ですか? アイツはあぁ言ったけど、貴方の営業スマイルが好きな奴も沢山居るって事は忘れないで下さいね。」 それじゃ。と言いたい事を言うだけ言って、校舎へと向かう俺。 稲垣副会長がピクッと動いた気がしたけど、それは妖怪のせいだと思って無視した。 やたらと俺に構ってくる城センを軽くあしらいながら、職員室へと向かっていたら、城センが理事長室へと呼び出しされた。 『城島先生は至急、理事長室まで来てください。繰り返します。 城島先生は至急、理事長室まで来てください!』 「センセ、呼び出されてますぜw」 「お前の側から離れたく無いが…仕方がない…行ってくるわ… 職員室は、そこの突き当たりを右に曲がった所だ。 俺が迎えに行くまで待ってろよ!」 走り去って行く城セン。 …やっと解放された… 何か…何か鬱陶しかったんだよな… やたらと触って来るし…怪我人だけど、そこまでして貰わなくても大丈夫だっつの。 ホッと一息ついて、職員室へとゆっくり歩き出した。
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