防弾硝子の少年

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だだっ広い講堂に集まっているのは、全員男。 お揃いの紺のブレザーは某有名デザイナーのデザインらしい。 ネクタイの色は学年事に別れていて、新入生である俺達一年は赤、二年は青、三年は緑色。 小学校からのエスカレーター式のこの高校は、全校生徒数約600人程の進学校。 金持ちの子息が生徒の大半だが、俺の様に途中入学者も僅かだが居る。 …居るはずである。 しかし、今年度この『神龍学園高校』に外部からの入学して来た者は、俺一人。 よって俺は新入生代表の挨拶を述べているのである。 「ーー以上、新入生代表、二宮 樹(にのみや いつき)。」 やっと挨拶を終えた俺は、ほっと一息つきながら、檀上を後にした。
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