防弾硝子の少年

6/21
前へ
/417ページ
次へ
山中に建てられたこの『神龍学園高校』は、校内から併設されている寮まで少し歩かなければいけないのだが、その途中に、一度道路を渡らなければならない。 学校の私道なので、車なんて殆んど来ないし、信号すら付いていない。 それなのに、それなのにだ。 何故かトラックが猛スピードで横切ろうとしている所に生徒が一人、気付かずにノンビリと道路を渡ろうとしているではないか。 それに気付いた俺は声を掛けようとしたが、それでは間に合わない!と判断し、あろうことか道路に飛び出していた。 「危ないッッッ!!」 生徒を突き飛ばし、愚かにもトラックの真ん前に飛び出した俺は、なす術無くトラックに跳ねられた。 そりゃぁもう、勢い良く。 一瞬、死んだ両親が見えた気がした。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1271人が本棚に入れています
本棚に追加