3 流れ星

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「死んじゃうなんて悲しいな  自分が死なないように  願うなんてどうだろう」     上を見すぎて 首が少し痛くなりながら わたしが言うと   彼は憤慨した   「何言ってるんだ  僕は死ぬことなんざ  これっぽっちも怖くないさ  僕は  流れて死ぬことを  誇りにしてるんだ」         彼は 身だしなみを整えて 落ちる準備をしながら言った     「僕はね  誰かを幸せにするために  生まれてきたんだ    だって僕は、流れ星なんだから」     ああ わたしは なんだかすごく 申し訳ない気分になった  
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