2 始まり

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  けど、 ある日たまたま寝過ごして このバス停に到着した。 なんだ アルタイル星はバスで行けたのか、 なんで今まで わからなかったんだろう なんてわたしは 自分に呆れてしまった。     随分待たせてしまったけど、 やっと会うことができる。     赤いワンピースの裾が揺れて 視界には道の先が映った   暗くて暗くて きっと昼間に存在してたもの全て ビルとか 公園とか 工場とか 雨雲とか 絨毯の外に出されてしまったんだ     今この世界は たくさんの星屑と バス停の看板と 草と 花と わたししかいない   太陽が昇って 絨毯を溶かしてしまう前に はやくバスに乗らなきゃいけない     わたしは最終バスを待っていた。   まだまだ夜は終わらない   迫ってくる朝が 到着してしまう前に 旅立とう。       やっと会える やっと会えるよ。  
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