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「おじょうさん
願い事は
決まったかい」
紐はだんだん細くなって
もうすぐ切れようとしている
「願い事って何のこと?」
「知らないのかい
流れ星に願い事をすれば
君の願いは叶うのさ」
「素敵ね
でも
バスがきたら
わたしの願いは叶うから
あなたにお願いすることはないわ」
すると星は
悲しそうに海を見た
「そうかい 残念だ
落ちる前に
誰かを幸せにしたかったんだけど
もう落ちてしまう
あと 少しだ」
「海に落ちたらどうなるの」
「さあね 僕は死ぬのかな」
ますます彼は
寂しそうに言った
なんだかわたしも
悲しくなった
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