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  自分の腹を抱えてゲラゲラと笑うその相手   長くもなく短くもなく乱雑な髪 ゴツくも無く……かといってスマートでも無く、機能よりもデザインに重きを置いた様なブーツ 左側が短く右側が長いといった両袖の丈が違う、詰襟みたいで引きずりそうなコートを着こんでいて、短い袖を補う様に長い手袋をしている そして片側の顔を布で被せてあり、見えそうで見えない     その身に纏う色は、正に『紅』の名に相応しいまでに真っ赤     ……袖と手袋の間に隙間があって、そこにあるハズの二の腕が見えない まぁ、うん、気のせいだろう   背丈はそこまで高くはなくて、『白』よりは幼いみたいだ 今は比較対象が『白』しか居ないから何とも言えないけど、『黒』よりは年上に見えて『白』よりはやっぱり幼い     「……テメェ……今、コイツと比べて俺様の事を[幼い]って思っただろ」     『紅』はふと、笑いを止ませてズイィッとさっきとはうって変わり……不機嫌そうな顔を僕の前に寄せて来た まるで、僕の心を読んだかの様な言葉を添え付けて  
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