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序・……なにこれ
ある日、春風吹く暖かい日
ある街角の、女性が足を運びそうな優しい趣(オモムキ)のあるカフェテリアのテラス
そこの一テーブルに場の雰囲気に合わない一組の『黒』と『白』が居た
……一人は黒髪でほんの少し長めのショートカット、襟足が少々長く前髪で左眼を隠している
雰囲気は隠された左眼を除いて言わせて貰うと瞳は大きく、顔立ちは御世辞にも大人しいとも大人らしいとも言えない
寧ろ【活発な少年】といったフレーズがピタリと当てはまるような、そんな子供っぽい印象を受ける
体格自体もそれ程大きくはない上に『黒』で身を包んでいるせいで余計に小柄に見せてしまい『少年』と見てとれるのだろう
少年は灰色のプラスチックの椅子に足を乗せて胡座を掻き、笑顔で正面に座る相手に一人一方的な談笑を楽しんでいる様だ
服装は首と左腕にネットのウォーマーを着用し、春とは言えまだ確実に肌寒いだろうに黒のTシャツと男にしては珍しく少しばかり短過ぎる気がしなくもない黒の短パン、膝下まである黒のブーツと今時の様で有りながら黒尽くめ
唯一点だけ
右腕に『白』の包帯が巻かれている
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