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②
彼等は先を歩いていた
僕の三歩程先を
また他愛ない話(というか、また『黒』の一方的なお喋りなんだけど)をしながら二人は歩いていた
ここはさっきの場とは違い、薄暗い裏路地
僕は二人に案内されるようについていった
「黒、少々宜しいですか?」
「ん?何だよ」
『白』が後ろを歩く僕を少しだけ顧みて止まり、閉ざしていた口を開いた
『白』が止まったせいで、『黒』も僕も足を止める
……僕、何かした?
「魔女の許へ……彼を連れて行きたいのですが……」
「え、『紅』のとこ?……いいけど何で」
元々キツい目を、更にキツくして『白』は僕を見た
『黒』は『白』の発言にあからさまな態度で嫌そうに『白』を見る
……ねぇ、白さん……僕何かしましたか?
「私達だけでは、酷く粗い選別しか出来ませんからね……なので、彼の許へ行こうと考えてみたのですが」
「……まぁ、な……なら二人で行けよ?俺アイツ苦手だからさ」
『白』の言葉に渋々といった様子で納得する『黒』
『白』は怒っているのか、ただ真剣なのかよく分からないけどその怖い顔を『黒』から前へと向けた
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