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  「え、えっと!!ちち違いますっ!!!」   僕は驚いて、というよりは軽く気圧されて思わず否定しながら後ろへ後退る   ぁあん?と不機嫌そうな顔のままズイズイと近付いてくる『紅』 唯々、相手の様子に怯えながら後退るしか無い僕   そして、後ろにあった椅子に尻餅をつく様に座るしか無かった   「……あはは!!そんな力いっぱい否定しなくったって構わねぇよ、外見はそれで合ってる訳だし」   僕が椅子に座るや否や『紅』はまた、おかしそうに、楽しそうに笑って顔を離した   僕は思わずホッとした だって顔怖かったんから まだ心臓は高鳴ってるけど   一つ息を吐いて僕は力が抜けた様に椅子の背もたれに身を預け……       ……あれ? そういえば、さっき椅子なんて……   ……あったっけ……?   『白』が用意したのかな…… そう思ってチラッと『白』のほうを見た けど、『白』は僕の後ろには居なかった   だって、『紅』の後ろにいるんだもん   今のやり取りで僕は『白』の地点を通り過ぎたらしい という事は『白』の前に椅子があって、『白』が居て見えなかった…… ……いや、まず今までの内装では椅子や机といったそういう家具らしき物は、一切、何も[無かった]    
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