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  そして『白』はそんなピリピリした雰囲気のままカチャリと小さな音を立て、カップを口にした 恐らくは自身を落ち着ける為に   その途端、まさに漫画の如く……本当盛大に『白』はその中身を吹き出した   「ゲッホ……ゲホッゴホッ……」   「ちょ、白さん!!大丈夫ですか!?」   「おやおや、お気に召さなかったか?」   口と胸を押さえてむせ返り咳き込む『白』 『紅』は悪戯に成功した子供みたいに酷く楽しそうな笑みを浮かべてそれを見ていた   ……何、毒入り……?   「……ゴフッ……お、ま……」   『白』はまだ咳き込んでいた 少し苦しそうで、そっちに近付こうと僕は慌てて席を立とうとした       でも、立てなかった       胸から下が人形にでもなったかの様に全く動かない 力を入れようとしても硬直したまま1mmも動く事が出来やしない 何で、どうして? 僕は動けなくて『白』は咳き込んでいて、『紅』は唯々笑っていて…… 流石に、恐怖感を覚えざるを得なかった  
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