第五幕

4/19

331人が本棚に入れています
本棚に追加
/270ページ
 そしてそれ以外に、春子という名前と雪子という名前が何度も出てきた。  春子という女性はどうやら友人のようで、雪子という女性は敬称が付けられていることから先輩かなにかだろう。  どちらも紅緒さんの精神的な支柱となっていたようで、特に雪子さんには信頼を寄せていた様子であった。 『雪子さんのようになれたなら』  そんな言葉が散在していた。  日記から読み取れた事実は今のところ、紅緒さんが力の扱いに悩みながらも人間らしくもがき苦しんでいたということだった。なぜ健がこれを読んで、仲間になることを快諾したのかまでは分からない。
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加