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「紅緒ねえ…。俺の記憶にはないけど。聞く限りでは俺の知っている先々代の菊端とはちょっと違った性格なのかね。」
爽矢さんが頭を掻く。その言葉に「そうやな。」と爺様が頷いた。
「爺様は…先代の哨戒士に会ったこと、あるんですよね?」
「うん…まあ紅緒にはちらっとなあ。でも他の奴とは面識ないんや。儂はあの頃、関東で働いとったから。」
「そう、なんですか。」
「因みに、紅緒の遺体を回収したのは儂やで。あの子は関東で亡くなったからな。」
「え…。」
その発言に二の句が継げなくなった。こともなげに爺様は話すが――。遺体を回収?
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