第一幕

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「とまあ、これが御剣家の秘密やな。どや、理解できたか?」 「…うちの歴史が、ファンタジーみたいになってるのはわかりました。それで僕の高天って名前はその初代当主からとったものだと。」 「ははは。まあお前が理解できひんのは無理もないなあ。」  僕の答えに爺様は声を上げて笑った。そしてその優しい目で僕をまっすぐみた。 「伝説…まあ伝説のところもあるんやろ。せやけどなあ、事実うちの家には4人の超人が数十年に一度生まれてきとるんや。この時代に生まれ育ったお前には受け入れにくいことやけどな。」  その子ども扱いをする口調に少しむっときて 「じゃあ爺様、その超人ってなんなんですか。」 「“一人は竜のごとき力を腕に宿し、一人はその脚で胡蝶のごとき舞を見せる。またある一人は千里先を聞き悟る耳を持ち、最後の一人はすべてを見通す瞳をもちたり。”と、書物にはあるなあ。」 「ほとんど化け物じゃなですか。本当にいるなら見せてくださいよ。」  すねた口調の僕に、爺様は言った。 「何を言ってるんや高天。お前は自分でその4人を見つけるんやで。」  そうことも何気に言ったのだ。 「え?」  そのとき、僕は大層間抜けな顔をさらしていたことだろう。爺様は苦笑をもらした。
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