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「とまあ、これが御剣家の秘密やな。どや、理解できたか?」
「…うちの歴史が、ファンタジーみたいになってるのはわかりました。それで僕の高天って名前はその初代当主からとったものだと。」
「ははは。まあお前が理解できひんのは無理もないなあ。」
僕の答えに爺様は声を上げて笑った。そしてその優しい目で僕をまっすぐみた。
「伝説…まあ伝説のところもあるんやろ。せやけどなあ、事実うちの家には4人の超人が数十年に一度生まれてきとるんや。この時代に生まれ育ったお前には受け入れにくいことやけどな。」
その子ども扱いをする口調に少しむっときて
「じゃあ爺様、その超人ってなんなんですか。」
「“一人は竜のごとき力を腕に宿し、一人はその脚で胡蝶のごとき舞を見せる。またある一人は千里先を聞き悟る耳を持ち、最後の一人はすべてを見通す瞳をもちたり。”と、書物にはあるなあ。」
「ほとんど化け物じゃなですか。本当にいるなら見せてくださいよ。」
すねた口調の僕に、爺様は言った。
「何を言ってるんや高天。お前は自分でその4人を見つけるんやで。」
そうことも何気に言ったのだ。
「え?」
そのとき、僕は大層間抜けな顔をさらしていたことだろう。爺様は苦笑をもらした。
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